作りたい女と食べたい女2巻 友人と恋人の間のグラデーションをなんと形容しようか

概要

  • 料理を沢山作りたいが一人では食べ切れない主人公と大食漢の隣人との友人とも他人とも言い切れない関係性を描く物語
  • 友達くらいには仲良くなった
  • それ以上の関係になるのだろうか?

感想

  • 料理が美味しく描かれている点がこの作品の長所の一つ
    • 料理ものの漫画は料理のレシピが載っている印象があるが、本作品ではその印象はない
    • 料理のリアリティを漫画としての描写で伝えきれているという自信があるからだろうか?
  • 大食感な女性の感情表現の描写があっていい
    • 表情や言動は無愛想な感じを維持しつつ、可愛らしさを表現している
    • 一方でなぜ食に拘る理由がこの巻では掘り下げられていた
    • キャラクターの掘り下げが丁寧だなあ、と感じる
  • 同性愛という方向に作品の方向性の舵を切ったのはどうか?
    • あくまで主人公が自分の性的嗜好が同性愛かも?と意識しただけなので恋愛という方向に話が進むわけではないかもしれない
    • どちらかというと学生時代に女性同士でプレゼントを送り合うみたいな関係性?
    • 主人公は女性らしい身繕いをしっかりとするタイプなので、女性としてのシグナリングはハッキリとしている
      • それゆえに料理という趣味が男性に対するアピールとして認識されてしまう
      • その点が純粋に料理を楽しみたいという内心と矛盾し、抵抗感を覚える
      • 主人公は自身の女性性をどこまで自覚しているのだろうか
        • 単純に恋愛の対象として男性を含まないというだけの話なのだろうか?
        • 肉体的に女性である、女性として社会を生きてきたこと、世間からの期待に乗っかること自体にストレスを覚える部分と我慢できない部分があるのだろう
        • おそらく女性として服装やメイクをすることは多少楽しめている
        • そこと女性らしい立ち位置にいるからストレートとして認識されることに齟齬がある
        • ということは男性を恋愛対象として見ていないというシグナリングが発達していないのだろうか?
          • 出典を失念したが、ゲイが上裸になりがちで特有の服装をする文化圏があった気がする
          • 一方でタイでは18種類の性別あるらしいという意味では単純に概念として認識できるかどうかだけの問題なのか
  • 読み味がスッキリしているし、キャラの掘り下げも丁寧なので続きを追いかけていきたい

シュガーマンのマーケティング30の法則 メモ

自分の理解の範疇を超えた人種がいる

  • 個人的には買い物をするときには比較検討して機能的にコスパ的に最も優れたものを選ぼうとする
  • しかし本書ではそんな人間を相手に売り込もうとしていない。
    • そもそもどんな商品でもうってやったらいいや!って感じの価値観なのでそこが自分とは違う
  • 自分は優れたベストな商品を提案するべきでは?と思っていることが分かった。
  • でもそれって売る側にとってはなんのインセンティブもないんだよなぁ。
    • だからベンダーに依存しないSIerです!というのが売り文句になりうるのか
    • 就職活動のときにそんなん当然でしょ?ベストな選択をするのが自然じゃないか。と思っていたが、それはひどく世間知らずな考えだったのだなぁ、と今では思う。
    • 付き合いや資本関係で売れる商品が制限されることが普通なのだということが分かっていなかった。
    • まあ、今でも心底から納得しているわけではないのだけれど

いかにして売るのか?という方法論と経験談が載っていて読み物としては面白い

  • シュガーマンなる人がどれだけ敏腕なセールスマンであるのか、について武勇伝がまとめられている本だと認識している
  • 方法論、その説明、具体例、と人間の認識の進み方に沿った構成で書かれている点もこの著者が人間の心理や思考について優れた知見を持っていることを示している。
  • 勉強して身につけた、というよりはこの著者は自然と勘が働いて、解決策を試行し、結果が出た際にその言語化をすることで再現性を高めることができるという稀有な人物であることがわかる
  • この人の理論がどれだけすごいかは分からんが、この人自身は有能な人なんやろうなぁ。ということは見て取れる

売れたらいいのか?

  • ださい温度計?を売るために宣伝の仕方を工夫した、というところでやる気をだしたところがすごいな、というか自分とは違う価値観で生きているな、と思う。
  • つまり、自分の見識の狭さを浮き彫りにした、という点で読む価値のあった本だ
  • 完全にシュガーマンのような人間の価値観を理解や共感をする必要はないと考えるが、かといって低俗だと切り捨てるのも違うだろう
  • こういう人間が身近に居ないのも見識が狭いままだった原因だろう
  • キャラクターとして頭の片隅においておくと便利な人だろうな、と思っておこう

価値観を広げるのに役立つ、営業の役に立つかは人による

  • 技術や研究志向の人間としてはベストな選択以外を他人に選ばせるということがよく分からん
  • よく分からんが、そういう人が経済を回しているということを認識しておかないとただの頭でっかちになるという自覚を持つ必要がある
  • 著者が並外れて有能な人間なだけで方法論として万人に使える方法であるかどうかは眉唾
  • ただしこういう人間がいるということは思考の幅を広げる役に立つ

参考リンク

ルワンダ中央銀行総裁日記 感想

描写が薄い部分がこのひとの能力がいかんなく発揮された部分なのだろうなぁ

  • ルワンダで通貨の為替をやり直すから仕事しに行ってと言われる
  • とりあえず人が住んでるところならなんとかなるやろ、と行ってみる
  • 驚愕の寂れ具合、首都でこれかよ、と落胆する
  • 自分の住む場所が建設途中、最初に案内されたのはなんか居なくなった人の家
  • 運転手にちょいちょい小銭をちょろまかされる
  • コイツはひでえや!と思っていたら、中央銀行でろくに仕事内容が分かっている職員が居ない
  • 外国人のアドバイザーとかに聞いてみたら、ルワンダのやつらはろくでもない、ということしか言わない。
  • そんな中で彼は
    • 信頼の置ける銀行員の確保
    • 現地職員の教育
    • 現地商業の援助
    • 利害関係の調整
    • 予算執行の徹底?
  • を行ってルワンダ経済を上向かせることに成功した
  • さらっとこれらが課題になっていたことに気づいたので対処した、と書いてあるがその対処が大変なんだろうが!と思う。問題が明らかになりさえすれば解決できるというのがこの人の優秀さの所以なんだろうなぁ。

ルワンダに成長の余地はないのか?

  • この人の持論はいわゆる後進国のほうが先進国の事例や歴史、技術などから正解が分かっているのだから成長しないわけがないだろう、というある種のマッチョ思想がある
  • 今回の場合はこれを裏付けるようにルワンダ商人にもそれなりに商売の空気を読む能力があることや農民もちゃんとお金になる最適な選択をしていることに気づいたことが大きい。これでこの人はルワンダは環境整備さえすればそれなりに上手く経済が回るだろうと確信をもって行動に移れた。
  • 実際、数十パーセントの成長を果たしたわけで

では前任者は無能だったのか?

  • 前任者は技能がなかったり、やる気がなかったり、年金ぐらしだったり、ルワンダで真面目に仕事を果たすインセンティブのない人間が多かったらしい
  • その上で現地人の権利をうまいこと掠め取るというのがいやらしい
  • そこを能力のある人間で置き換えたり、真面目に働くインセンティブの設計を行ったり、一方で現地人のメンツを立てたり、とやってることは素晴らしいと思うがこの人は一体なんでそんなに頑張って働くのか?というところがイマイチわからない。
  • まあ、ある意味好き勝手できてその結果が直接把握できるというのは能力のある人間にとってはこれほど楽しい職場もないでしょう

現実を正論でぶん殴って結果を出したすごい人

  • 権限を任されて大統領からの信任があったのがポイントなのかなぁ?
  • 人事権と職権と最高権力者からの信任があったとはいえ、それで真面目に働くのがすげえよ
  • ばんばん人を切って代わりを用意して、呼んだ人には責任と仕事を任せて、会議の場では大臣の発言を促して教育していく、何者だこの人は。
感想 

人は愛するに足り,真心は信ずるに足る 感想

中村哲という医者が人を救うという本質を突き詰めた先とは

  • 中村哲という医師がアフガニスタンへと派遣された
  • 金銭的に見返りが見込めないハンセン病1の治療に取り組む
  • 治療に取り組むうちに生活環境の改善が根本的な解決になると判断する
  • 食環境を改善するために砂漠化が進む現地で水路の開拓、灌漑事業を実行する
  • この活動を通して数万人規模の現地民の生活環境の改善という結果に現れた
  • 彼を偉人と称えることは簡単だが、それは再現性をなくす行為ではないだろうか?
  • 彼の思考、行動、家族との関係など紆余曲折を知ることで人民救済のために何をすべきかが見えてくるのではないだろうか?

水路を拓くことによって灌漑が可能となり、万単位の生活環境が改善

  • 現地では農民が多い
  • 対露戦争や内戦により、耕作地帯が減少した?
  • 農民の生業である畑作を取り戻すために水源が必要になる
  • 中村医師は水路を開拓する事業を始める
  • 重機の運転、土木施工の知識などを勉強する
  • 水路は生活に密接に関わるために、わざと水路の途中に家を立てて利権を得ようとするなどの利害対立も生じた
  • また医療品を求めて武力をもって現地民に襲撃を受けることもあった
  • これらに対して中村医師は無抵抗主義を貫き、辛抱強く交渉にあたった
  • このような草の根を分けるような地道な活動を継続し、また資金源獲得のために日本で講演活動も行った
  • 中村医師の思想のもとには論語とキリスト教の教えとがあった
  • また死生観においては仏教的な死を歓迎する姿勢があるように見られた
  • 幼い息子の死、また現地での活動からくる負担感は彼の人生に重責を負わせた
  • その重荷から逃げるでもなく、受容した。これは同時に諦めに似た境地だ。
  • 生は苦しみである。ゆえに死は救済である。しかし積極的な逃避も行わない。諦めとある種の楽観性が彼が歩みを続ける一因ではないだろうか

国連やアメリカの活動と異なるのはなぜか

  • 国連は各種の援助を行った
  • この活動は現地の実情をうまく汲み取れていないと批判する
  • なぜ国連は実情を汲み取れないのか?それは国連が持つ貧困地帯を救済するためのシナリオに誤りがあると指摘する。
  • 不足しているものを与えればよいというのではない。毎日繰り返す生活を取り戻すために何を行うべきか?という視点が必要だ
  • 飢えたものに与えるべきは魚ではなく、魚の釣り方だ、という寓話に近い
  • アメリカに対する批判として、タリバン2に対する無理解を主張している
  • いわゆるテロリストは欧米で高等教育を受けたものが多い
  • ハイテクな機器の操作などは教育を前提とするから、それはもっともだ
  • 中村医師の推測では欧米に対するテロリズムは欧米の生み出した歪によるものであり、一概に他国に責任を見いだせるものではないとしている
  • アフガニスタンに派兵したところで根本的な解決にはならない、むしろ現地民の反発を招くばかりだ
  • これに関しては視点の抽象度が違うなぁ、という感想を抱いた
  • テロが起きたから自国の制度を見直そうという発想になる国民がどれだけいるだろうか?
  • それが他国の人間によって引き起こされたものであればその他国に責任があると考えるのが短絡的だが妥当な思考ではないだろうか
  • そこをぐっとこらえて内省する、根本的な解決に目を向ける、というのは文化的、思想的な背景が必要だと思う
  • そもそも中村医師の意見がどれほど正しいかもよくわからんしな

衣食足りて礼節を知る

  • 水源の確保によって水浴びを頻繁に行えるようになり、皮膚病が減る
  • 水源の確保によって畑作が可能になり、農耕が可能になる
  • 寺院の再建によって心理的な結束が生まれる
  • 結果として生活環境が整い、病気が減る
  • ではアフガニスタンの人が救われることにどのような意味があるのか?

  1. ハンセン病。らい菌が皮膚と神経を侵す病気。外見に大きな変化が現れるため、忌避された経緯がある。現在では治療法が確立されており完治する。 ↩︎

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感想 

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概略

妖怪が見える女の子と寿命がなくなった男性の家族話

料理が美味しいのとヒロインの女の子の親子関係がテーマ

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Impressions of manga the type of Yankee who gives one-pointed advice to passersby.

This is a story about a yankee who gives a bad impression of being a yankee and gives advice and help to people in need.

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男の子も女の子も可愛いので、 純愛と思いやりでキュンとなりたい人は読むといい。

感想

  • 式守さんが可愛いだけの回あり
    • そこまでして和泉くんに試験の点数で勝ちたかった?
    • そういう子供っぽい負けず嫌いさと弱みを見せたくない乙女心が両方あるのが式守さん
  • 式守さんのお母さんの顔が怖い?八満が恐れてる
    • 和泉くんもビビってる。
    • ビビりながらもお付き合い報告してるのはほんとすげぇよ。
  • 和泉くんがビビりながらも決めたことには取り組んでるのがすげえ
    • そこは男らしいんだよなぁ
  • そういう意味で1番おずおずとしているのは狼谷さんか。
    • 自己表現を自然にできるようになるといいね。
    • ある意味で孤立してたからね。
    • それが不本意っぽかったから、友達が増えてよかったね。

参考リンク